「青少年の健全な育成に関する条例」の一部改正

3月議会代表質問より

子どもを取り巻く社会環境の悪化や、子どもが犯罪に巻きこまれる事件の多発に対しては誰も不安を感じています。今回、健全育成や非行防止の目的で、条例改正が提案されました。主な内容は、不健全図書の包装の義務づけ、午後11時から午前4時までの深夜外出をさせない努力義務を保護者に課すなどとともに、カラオケボックスやまんが喫茶などへの深夜立ち入りの制限、着用済み下着等の買い受けなどの禁止、風俗店への勧誘するキャッチやスカウト行為の禁止、警察官の立入調査権の付与です。
 これらは大人に対する規制として行なわれますが、規制強化による「治安対策」だけで「健全育成」を行なうことでは、抜本的な解決にはなりません。育成の主体であり、被害者になり得る子ども自身に、メディア・リテラシー(情報を主体的に読み解き、コミュニケーションをはかる能力)や自己決定能力を育てる教育こそが「健全育成」であり、子どもを支える権利擁護や救済のしくみが必要なはずです。このような視点をもった施策が行なわれるかを、注意深く審議していきます。