12月17日今年最期の定例会が終了しました。行財政改革、東京のバリアフリー化、八ツ場ダム建設費増額、都立大学法科大学院などに関連する議案や計画が焦点となりました。特に八ツ場ダム問題は、過大な水需要予測の誤りと利水・治水のいずれについてもダムを建設する必要性は見いだせないこと、それを他県に先駆けて容認する緊急性もないことを指摘しました。関係自治体である(1都5県)の合同調査チームが国に対して投げかけた150項目にのぼる疑問や意見は、全てがクリアーされたとは言えず、議会への資料提供も不十分なままで、議論が尽くされたとは到底言えません。さらに知事は東京都独自調査の必要性を議会で答弁しながら、その対応もすることなく、議決を求めたことは、都民への説明責任の放棄と考えます。結果として、東京都は自民・公明の賛成多数で事業費の改定を認めたわけですが、千葉、埼玉、群馬県は2月からの予算議会に変更案が提出される見込みです。あきらめないで、引き続き東京からも「脱ダム」の声を広げましょう。(詳しくは1月のレポートで報告予定)
☆12月18日、生活者ネットワーク予算要望書を知事に提出しました。
来年16年度予算の各局要求段階で5300億円もの財源不足が生じる見込みです。銀行への外形標準課税にかかる和解金の支払いで財政調整基金の残額は367億円、また、今年度より約6000億を超える都債返還のピークを迎える大変厳しい状況です。このような事態に陥った要因として法人二税に依存した税収や、国から地方への税源移譲が一向に進まない現状があるとしても、過去の過大な公共投資に現れるように都の借金体質がなにより問題であり、その改善と自主財源の確保が今後の大きな課題です。
財政再建に向けては、都民によるチエックの仕組みをつくっていくのが回り道に見えても近道であると考えています。その為にはバランスシートを事業ごとに展開し、施策原価を明らかにするための行政コスト計算書を作成すると共に、行政評価を参加型に変えていくことが急がれます。良い意味でのコスト意識を都民と都の間で合意をつくり出すことが求められます。今回、ネットの予算提案の最重点項目として、食品安全対策、総合的な子ども施策の必要性から、「子どもの権利擁護委員会」をベースとした「第三者機関(オンブズパーソン)」の設置、里山・地下水保全、男女平等施策の推進等を揚げています。特に、具体的要望として、繁華街(原宿・渋谷・新宿)にユースクリニックの設置を再度求めました。日本は、先進国の中で唯一HIV感染者が増加しています。若者の10代向けの性、妊娠、避妊、出産、性感染症などについて気軽に受診や相談ができる場が早急に必要です。性教育バッシングの中、子どもたちが自ら自分の体について知り、自分を大切にするためにもユースクリニック設置を強く求めました。