1999(平成11)年度の「農業に対する意識調査」でも、94%の都民が、東京に農業や農地を残したいとしています。こうした「農あるまち」に対する都民の思いが「市民農園」や「体験農園」への積極的な取り組みを推しすすめています。少子高齢社会に入り、年代を超えたふれあいが難しくなっているなか、農業をつうじた交流が、新たなコミュニテイ形成の核として見直されています。また農作業体験などによるリフレッシュは、障がいを持つ人のリハビリテーションの効果でも期待されています。後継者がいない農家と、農業とのふれあいを求める都民との連携で新しい都市農業が展開できるのではないでしょうか。
これからは人口減少社会を迎え、東京でも、開発中心の都市計画の時代は終わりつつあります。各地域のまちづくりに、農業を活かした土地利用を求めていきましょう。
以下に「予算特別委員会」でネットが行なった質問と答弁を要約抜粋します。
Q1:特産物を今後大いに振興・普及し、東京を訪れる人々や子どもたちの世代に伝えることが大切。
A1:(知事)都市農業を魅力のある産業として育成するために、区市町村と連携。
Q2:農業との触れ合いを求めている多くの都市住民の期待に応え、都市農業をすすめていくことが望まれる。
A2:(産業労働局)都は都民のニーズを積極的に取り入れ、摘み取り農園、体験農園などの整備を支援してきた。今後も整備地域の拡充、都市農業の推進に努めていく。
Q3:都市計画局で、東京のまちづくりに農業を活かした土地利用を検討すべき。
A3:(都市計画局)「都市計画区域マスタープラン」で、農地を生かした都市環境の保全と積極的な活用を土地利用の方針とし、生産緑地地区の指定などにより保全、活用に努める。