食品安全条例「消費者の権利」は、なお課題

3月議会代表質問Q&Aより

食品安全条例について、伺います
Q1:(大西)
 鳥インフルエンザへの対応を含め、ここ数年だけを見ても食品安全に関わる重大事件が発生しています。こうした中で、今定例会に上程されている「食品安全条例」は、食品の安全確保について、都民が健康で豊かな生活を営む上で、都民自らが都民の健康を守ることが条例内容となっています。都においては、昭和50年に、国に先駆け、消費者の権利を盛り込んだ「東京都消費生活条例」を制定し、消費者は保護される主体でなく、主体的に行動することが明記されています。
しかし、残念ながら本条例の策定過程においての市民参加の状況は、パブリックコメントなどで都民意見を求めたにすぎず、条例づくりにおける市民参加は不十分であると言わざるを得ません。しかも、策定過程におけるパブリックコメントの中で消費者の権利の明記を求める多くの都民意見があったにもかかわらず、明記されなかったことは都民にとり納得のいくものとなっていないのではないでしょうか。消費者の権利は必要不可欠です。全国への影響が大きな大消費地東京としては、国を上回るものを先駆けて行なうことが、食の安全政策を誘導してきた東京都の役割です。
この点で食品安全確保における消費者の基本的立場をどのように考えていくのか、知事に伺います。
A1:(知事答弁)
 食品安全条例では、都・事業者はもとより、都民自身も食品の安全について正しく理解し行動するなど、一定の役割を担い、お互いの取組について理解と協力を深めることが不可欠。消費者の権利については、すでに消費生活条例において規定。
Q2:(大西)
 BSE(狂牛病)の発生や相次ぐ食品の偽装表示事件は、食の安全をめぐる問題に対する制度や行政機構が全く未整備なことをさらけ出すとともに、消費者の権利を担保する情報提供の基本的な部分が機能していないことを示しました。こうしたなかで、食に対する都民の不安や不信の申し出により調査を行なう制度についても、さらに強化していく必要があると考えますが、見解を伺います。
A2:(健康局長答弁)
 食品安全確保対策をすすめる際には、都民や事業者の意見を施策に反映させることが重要。消費生活条例第八条の申出制度は、そのための具体的な方法の一つであり、食品についても数多くの申出。食品安全条例は、食品の安全確保という視点から都の施策を包括する性格を持ち、他の条例等に基づく施策と一体となって、その目的を達成。今後とも、関係局との連携を密にし、都民意見の反映に努めていく。