12月議会開催中

大西ゆき子の一般質問 その2

今回は、12月10日に行った一般質問より、環境について〜緑の保全と臨海開発についてを引き続き掲載いたします。

Ⅰ 環境について 
Q.5  2003年のみどり率は区部約24%、多摩地区約72%で、ここ5年間で区部で1ポイント、多摩部で2ポイント減少しています。東京都は海の森、街路樹倍増計画、花粉の少ない森作り、校庭の芝生化など、みどりの再生に力が入っていますが、何といっても今ある雑木林や屋敷林への評価は高く、いかに既存林を残すかがまちづくりには欠かせない視点です。
  地域での緑地保全の制度として、都市緑地法に基づく「特別緑地保全地区」の指定があります。区市町村が主体となって取り組む区域の中での開発行為が不許可となった場合、土地所有者は区市町村に買い取り請求が出来ますが、その場合、国から1/3の補助金がでるものの、残りの2/3については区市町村の負担であり、この負担が特に特別緑地保全地区の指定を躊躇させている一因とされています。
  23区では都市計画公園として位置づけることで都区財政調整交付金や都市計画交付金でほぼ100%の資金が調達できますが、財政状況の厳しい多摩地区では、買取請求に応じることが困難で、特別緑地保全地区の指定が進んでいません。既存樹林が残っている多摩地区でこそ指定を推進すべきと考えます。
  そこで、今後、多摩地区での特別緑地保全地区の指定を促進するために、都として、どういった取組みを進めていくのか、伺います。                                   
A.5(都市整備局長) 
  特別緑地保全地区指定への取り組みについてであるが、東京に残された貴重な緑を次の世代に引き継いでいくためには、地域の緑に対する意識の醸成を図るとともに、都市計画の規制により、良好な樹林地を民有地のまま保全していくことが重要である。特に、現状凍結的な保全と相続税等の優遇措置に、特長のある特別緑地保全地区については、多摩地区でも、最近5年間で45ヘクタールを指定を行ってきた。さらに指定を促進していくためには、緑の現状を十分に把握した上で、望ましい緑のあり方や取組みの方向性を明らかにすることが必要である。このため、現在、市区町村と共同で、「緑確保の総合的な方針」の策定を進めており、この中で、特別緑地保全地区などの活用について検討していく。
                           

Ⅱ 臨海開発について
Q.6  臨海副都心開発は、三会計統合、関連第3セクターの破たんとホールディングスの設立など、事業環境が悪化する中で、当初の目論見とは異なる対応を余儀なくされてきました。        この事業は平成27年に完成するということですが、現時点における収支はどのような状態であるのかうかがいます。                          
A.6(港湾局長) 
  臨海副都心開発の収支についてであるが、臨海副都心は、先行的に広域交通基盤や地域内都市基盤の整備を行い、投資資金をその後の土地処分等の収入でまかなう仕組みで開発している。開発着手から平成19年度末までに基盤整備の約9割が完了しており、臨海地域開発事業会計が投資してきた資金は、約1兆1千9百億円である。一方、土地処分等の収入は、平成19年度末までで既に7千7百40億円に達している。平成18年3月に「臨海地域開発財政基盤強化プランの更なる取組み」を策定し、まちの概成に向け土地処分の促進策や収支試算を示した。現在、これに沿って開発を着実に進めており、平成22年度までの土地処分が決定しているものだけでも、約2千6百億円あることから、収支のバランスは十分とれるものと考える。

 
Q.7  世界同時不況の中で、臨海副都心開発への影響が懸念されています。東京の不動産市況も冷え込んでいるといわれますが、臨海副都心開発にはどのような影響が出ているのか、伺います。                               
A.7  (港湾局長)
  臨海副都心開発への不動産市況の影響であるが、サブプライムローン問題が顕在化した昨年8月以降、有明北地区で応募者が出なかったケースも1件あるが、青海地区北側を中心に、ビジネス拠点や商業・文化施設などを計画する8件の進出事業者を決定しており、着実に土地処分が進んでいる。これは、企業集積、都心への近接性、羽田空港国際化など、この地域のポテンシャルが高く評価されたものと考える。不動産市況全般を見れば不透明感が増しているが、進出を希望する企業等からの引き合いや問い合わせは続いており、今後も、バブル経済崩壊後の厳しい時期をくぐり抜けてきた経験を活かして、社会経済状況の変化に適切に対応し、開発の総仕上げに取組んでいく。
                    

Q.8  臨海副都心開発は今後も継続される事業です。都民参加の下で開発が進むように、情報公開が重要と考えます。H17年の包括監査においても指摘されていますが、会計が複雑でわかりにくいのです。20年経過し、この事業を検証することも必要と考えます。そのための資料やデータをデジタル化し、インターネットにのせるべきと考えますが、いかがでしょうか。                                
A.8(港湾局長) 
  臨海副都心開発に関する資料等の提供方法についてであるが、臨海副都心開発の事業費や予算、決算状況等については、都議会でご審議いただくとともに、都民情報ルームや都立図書館等において、誰もが閲覧ができるようにしている。さらに、開発の基本となる「臨海副都心まちづくり推進計画」などの諸計画や土地の公募状況、処分状況、また、来訪者のデータなど、インターネットでの提供がふさわしい最新の情報については、臨海副都心のホームページを活用し、広く都民にお知らせしている。今後とも、臨海副都心の開発をわかりやすくお示しできるよう、適切な情報の発信に努めていく。

*次回は、Ⅲ 児童虐待について Ⅳ 周産期医療について Ⅴ 化学物質について

写真(下)は、本会議場の壇上で一般質問中の大西ゆき子