企業の不正!とかげの尻尾きりで終わらせないで!

都議会生活者ネットワーク大西ゆき子の第二回定例会討論より

介護保険制度導入以来、最大の事業者の不正行為が発覚し、処分が発表されました。行政が責任を持って、利用者の保護とサービスの確保に当たるべきです。この問題を一企業の不正を正す「とかげの尻尾きり」に終わらせることなく、制度自体が法令順守の中で、事業として成り立つ制度なのかどうかを検証する契機とすべきです。報酬改定や制度改正の中で介護報酬カットが続き、事業者は運営の厳しさにあえいでいます。特に在宅介護を支えるホームヘルパーは、限られた時間制限のなかで、個別性の著しい家事援助や介護をこなし、低賃金・不安定雇用が常態化し、離職者も絶えません。持続可能な社会保障制度として確立するには、事業者の安定的な運営と人材の確保が不可欠です。事業運営を継続しつつ、サービスの質を確保できる報酬水準とは、どのラインになるのか、根本的な議論を始めるよう、2009年度の改正に向けて、都として国へ提言することを求めます。

次に、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策については、専門家会議を広く公開し、今ある最善の方法で汚染処理を行うために、時間と費用を惜しむべきではありません。国も土壌汚染対策法の全面見直しに着手するために放置され、有効利用されないことから、利用促進を図ることが狙いのようです。しかし、これまで同様に、企業の汚染は、企業の責任で処理すべきです。環境を守ることよりも経済が優先する構造を容認してはなりません。豊洲新市場の問題は食の安全の問題であると同時に、東京都の環境行政が問われているのです。環境対策をしっかり行う姿勢と土壌汚染の継続的な検証システムを示すことで都民の不安に応えることが必要です。

副知事人事について一言。
今回も、知事は全く反省のないまま、マスコミへの情報を先行させました。都民の信託を受けた議会側に対しては、特に、一人会派を含めた少数会派への十分な説明責任を果たしたとは言い難く、知事には更なる対話型都政への姿勢を求めます。また、猪瀬氏の副知事就任については、知事は「国とけんかができる交渉力」を求めていますが、生活者ネットワークは、今の都政にもっとも必要なものとして、情報公開と分権、市民との協働を大切にする国際都市東京に相応しい対応を求めます。

その他に「住民基本台帳ネットワークの本人確認を利用する事務等を定める条例」の新設、温暖化対策として緑の確保・市民活動の支援、「はしか」の流行について発言しました。