5月22日・23日、香川県高松市へ委員会視察に行ってきました。目的は、豊島の産廃処理状況の視察です。
白砂に青松の多くの島々が美しい瀬戸内海。この瀬戸内海に浮かぶ豊島で起こった産業廃棄物不法投棄事件は、美しい島とその対極にある「産廃」。ままならぬ対策状況に、誰もがショックを受けた事件でした。
そもそも1978年、豊島の処理業者に対して産業廃棄物処理業の許可(汚泥、木くず、家畜の糞を取り扱い、みみずによる土壌改良剤化処分業に限るとして)をしたことが、発端となったわけですが、その後、処理業者は金属くず商の許可を取得、シュレッダーダストや廃油、汚泥等の産業廃棄物を搬入し、野焼きや不法投棄が続きました。19990年、ようやく県は、処理業の許可を取り消し、廃棄物の撤去を命令。1993年豊島住民が公害紛争処理法に基づく公害調停を申請し、解決へむけての動きがスタートしました。1999年、県が三菱マテリアル社の直島精錬所(㍽6年創業)がある直島での処理を提案し、2000年豊島住民と県との公害調停が成立。2003年直島に中間処理施設が完成しました。
現在、豊島の廃棄物は専用の輸送船で直島に運び、中間施設で焼却・溶融処理します。この過程で発生する「溶融飛灰」を隣接する三菱マテリアルの精錬所に運び、副原料として使用し有価金属として回収する。という関係が成立しています。豊島の廃棄物はここで10年かけて処理することになっています。専門家の指導、助言を受け、大きな化学工場に組み込まれ、ダイオキシン対策等も万膳に処理されているとの説明を受けたのですが、工場の回りは、樹も生えにくいのか、茶色の山肌が異様に感じてしまい。穏やかな瀬戸内海の海の青さはとは裏腹になんとも気の重くなる視察でした。東京にとっての豊島は、青森県田子町を忘れてはなりません。ゴミ問題は本当に深刻です!
産廃施設の反対側、島の東南部には、「自然と建築とアートの融合」をテーマに建築家安藤忠雄氏が設計した美術館。ベネッセによる宿泊施設が隣接。体感する美術館の地中美術館があります。今や、現代アート&建築の島として日本はもとより、世界中から美術フアンが直島に魅せられて集まっています。今度は観光で訪れたいものです。