ソウルすてっきの旅!

チョンゲチョンの風の道!?

連休後半、駆け足で韓国ソウル市に行ってきました。羽田空港から金浦空港まで二時間半(帰りは二時間)、時差もなく、本当に近いものです。急ぐ旅でもないので、空港からホテルまで、路線図片手に地下鉄を利用することにしました。地下鉄ホームは、どの駅もホーム柵があり、安心して乗り降りができるのですが、エレベーターやエスカレーターの設置はまだまだです。乗換駅では、エレベーターが設置されていますが(ほとんど利用者がいない)、多くは階段しかなく、東京の方がバリアフリー化が進んでいます。私、足を痛め「すてっき利用」の身ですが、東京では、駅などで私と同じような「すてっき利用」の方や車椅子の方を多く見かけます。本当のバリアフリーにはまだまだ多くの課題がありますが、東京では障害を持つ方でも公共交通での移動が可能ですが、エレベーターやエスカレーターのないソウルの地下鉄(地下街も)では、やはり歩きにくいのでしょう、すてっき姿の同志には会えませんでした。ホテルで一休みした後、夕食前の散歩にかねてから見ておこうと思っていた清渓川(チョンゲチョン)に出かけました。清渓川は、ソウルの都心部を東西に流れ、漢江に合流する延長11キロの川でした。50年代、人口集中と汚染で、川は道路となり、70年代には、高架の道路になっていたそうです。3年前、都議会で視察の際、高架橋を撤去し、道路でふたをしていた河川を復元させるとの説明があり、その工事中の現場を通りました。その時はどぶ臭く、どのようになるのだろうと思っただけだったのですが、その後、東京の都市再生の目玉として、急遽、首都高速道路の高架下を流れる日本橋でも、清渓川のように、高架橋を撤去し、日本橋川を復元させようと盛り上がりました。時々韓国からの訪問団の方の案内をするのですが、その際「清渓川はどうですか?」と尋ねると、「あまり評価はしていません。環境団体からも無駄な公共事業といわれています」という返答しかなかったので、ぜひ見ておこうと出かけました。土曜日の夕方だったので、河原をそぞろ歩く老若男女で賑わっていました。水量も豊富で、流れもあり、両岸の石に腰掛足をつけている人、飛び石伝いに対岸へ渡る人たち等、とても楽しいそうです。3年前は、どぶ臭かったけど、今や川面をわたる風は気持ちよく、都心にこれだけの川を復元し、市民が楽しんでいるなんてやっぱりいいじゃない。というのが私の率直な感想でした。
16日の朝日新聞夕刊に「復元河川に風の道」と清渓川の記事が掲載されていました。このプロジェクト費約450億円。川の水は、漢江と地下水から引き入れ、再び漢江に戻している。維持費は年に2億円以上かかる。好評の一方で、「自然河川ではなく人工水路。自然の復元ではないので理想の姿とはいえない」との見方もある。とありました。いやはや難しいものですね。