動物実験の必要性
2005年6月の「くらしの健康」に、組み換え大豆の動物試験の結果が載りました。国内で動物実験をして報告された例はほとんどなく、世界的にもトップレベルにある都の研究機関が、行ったことを評価したいと思います。
動物実験について、私たちはこれまで「慢性毒性検査」の必要性を提案し、要請してきました。
遺伝子組み換えで作られたものが、既存の食品と比べて構成成分などにおいて実質的に同等と見なし得るかどうかが、まさに判断の分かれ目であり、消費者が不安を感じている点です。見た目が同じであっても、アレルギーを引き起こす恐れや、将来における変異の恐れなど、まだまだ不確定の要素が多いと考えております。
先頃、オーストラリアでは国の研究機構が開発したGMエンドウ豆が、マウスにアレルギー反応を引き起こしたことを発表し、商品化直前だった同エンドウ豆の開発を中止しました。コーデックスの基準によるチェックではアレルギー性は確認されず、基準外の動物試験によって初めてアレルギー性が確認されたことは注目すべきことであり、基準の見直しが求められます。国も都も「公の役割」として今後も大いに研究に取り組まれるよう強く要望しました。
生産者と環境問題
現在、都は「栽培指針」を策定中ですが、自治体としてやれることとしては「遺伝子組換え作物を栽培しようとする」ことに「高いハードル」を設けることです。「汚染被害者」に対する支援制度なども検討すべきです。
今ヨーロッパを中心に、世界的に遺伝子組み換えフリーゾーン運動が広がっていますが、都は農業者が自主的にGMフリーゾーンを設定することについて、どのように考えるか聞きましたが、町田市などで市民団体・農業者団体等が、個々の農地を対象に、遺伝子組換え作物を栽培しないことを表明しているが、あくまで地域での合意に基づく、自主的な取組が前提と考えているとのことでした。
一日も早い「栽培指針」の公表を待ち望んでいますが、実行性を担保するため、指針にとどまらず、条例化をすべきであると発言しました。