「都内での遺伝子組換え作物の栽培指針」(案)出る

10月31日東京都産業労働局は、「都内での遺伝子組換え作物の栽培指針」(案)を発表し、指針に対する意見募集を行っています。前回の「トウモロコシBt10」の問題に続き、この指針の主な内容をお伝えします。

<指針策定の目的>
 遺伝子組換え作物の栽培によって生じる一般農作物との交雑と収穫後の混入、またそれに伴う経済的被害など生産・流通上の混乱を未然に防止し、都内産農産物が今後も引き続き都民の信頼を得ていくことを目的とする。

<指導方針>
(1)一般ほ場での栽培
1.都内遺伝子組換え作物を栽培しようとする者は、
事前に近隣住民や農業者に十分な情報公開を行い、栽培について理解を得る
非組換え作物との交雑防止措置や収穫後の混入防止措置を図る
交雑・混入が生じた場合の措置や経済的被害への対応の考え方、管理責任者などを明らかにする
上記事項を明記した栽培計画書を事前に都に提出する
2.都は提出された栽培計画書を個別に審査し、その妥当性を判断するとともに、必要に応じて助言指導を行う。
※審査体制が整うまでの当面の間は、食用作物に交雑するおそれのある遺伝子組換え作物については、これを栽培しないよう指導する。
(2)隔離ほ場での試験研究栽培しようとする者に対し、事前に都に情報提供を求める。また、「第1種使用規程承認組換え作物栽培実験指針」に準拠するとともに、万一、交雑・混入が生じた場合の措置や経済的被害への対応の考え方を付加した実験指針を策定するよう指導する。
(3)指導に応じない場合には、その旨を公表する。

<都の対応>
(1)都の施策の方向としては「遺伝子組換え研究については、当面、食用作物は対象としない。」、「都内産農産物の「安全・安心」を確保するための施策を推進、将来に向けて遺伝子組換え作物との「共存」施策を検討」、「積極的に情報提供を行い、都民の間で論議を深めていく・・」等をあげている。
(2)国に対しても「栽培指針を策定」や「大学等の実験施設」への対応等を要望している。

国に先がけて栽培指針を策定することは評価できますが安全性に向け、現状にあった指導ができるか細かなチェックが必要と思います。皆様もぜひ、都に意見を上げてください(11月14日まで)。