現場の大田区立赤松小学校は、1960(昭和35)年に建てられた学校です。1988(昭和63)年、天井の断熱材として使用していたアスベストを固化処理し封じ込めていますが、今回、床の張替え工事を行うに当たり、天井のアスベストの剥ぎ取り作業も行っています。アスベスト対策は、大気汚染防止法と都の環境確保条例に依って行われます。東京都は、平成7年、環境確保条例で、敷地面積500㎡以上、吹きつけ面積15㎡以上(国は50㎡以上)の建物を解体する場合は届出を義務付けています。(届出数は年間750件)。
現場では、3教室を密閉し、防塵マスク、作業服の作業員11人で、工事が行われていました。都の職員4人が、外気と完全に遮断されているか、作業員の防護服や粉塵を落とすエアーシャワーが適切か等をチェックし、飛散防止対策や大気中のアスベスト濃度測定器を設置しました。
アスベストの飛散や健康影響への懸念が広がっていることから、都は、今後も施工時の安全確保の状況を確認するため、解体・改修現場への立ち入り検査及び周辺大気中のアスベスト濃度の測定を実施し、その結果を報告する予定です。毎回工事終了後は、エアーシャワー室を通り、作業服は破砕物と一緒に密封され、ダイオキシンやPCB、医療廃棄物と同様に特別廃棄物として処分場に埋め立てられるそうですが、もっと安全に処理して埋め立てることはできないのか、疑問が残ります。
今後は、法や条例の対象外の住宅や、解体後の処理実態の調査が求められます。