2005年度第一回定例会 大西ゆき子一般質問と答弁 その4

<化学物質対策>

前回(3/11)よりの続き

<Q8>
次に化学物質対策について伺います。
私たちの生活する周辺には、10万種の化学物質が市場に出まわり、毎年1000から2000種類が新たに製造されているといわれ、健康や環境への影響が懸念されています。このような中で、EUでは一昨年10月にREACHとよばれる化学物質規制案を発表しました。そのポイントは、対象物質を三万、評価を必要とする物質を5000とし、予防原則や代替原則を徹底し、根本的な施策の転換を図っています。ところが、日本はあろうことかアメリカとともにREACHの弱体化に向けて動いているといわれており、施策の転換に消極的です。一方、都は私たちの提案に応え、平成7年にパラ剤を学校環境から追放して以来、環境ホルモン対策や有害化学物質対策基本方針を策定し、さらに室内環境の配慮指針や、環境確保条例によるPRTRの上乗せ運用、そしてこども基準の設定など、全国的に見ても先駆的施策を展開し、すぐれた政策水準を維持してきたことは高く評価しております。また、環境確保条例による化学物質の適正管理制度の導入により、化学物質の使用合理化や、有害性の少ない代替物質への転換を促してきた結果、環境に排出される化学物質の全体量は減少してきています。しかし、化学物質の種類は多く、自然界で分解しにくく人体に蓄積しやすいものもあり、こうした化学物質の環境中の残留実態を明らかにしていくことが、今後の化学物質による被害を未然に防ぐために必要と考えますが見解を伺います。    
<環境局長答弁>
これまでも農薬類や船底塗料等に使われている有機スズ化合物など、残留性の高い化学物質を調査。平成16年度から有機フッ素化合物の環境調査に着手。今後も、リスクの高い物質を、順次調査していく。

<Q9>
先のような国際動向を踏まえ、都としては環境確保条例の改定も視野に入れた検討が必要です。先駆的な化学物質対策への転換を進めるために、市民や事業者の参加を含む総合的な検討の場を設定すべきと考えますが、見解を伺います。
<環境局長答弁>
化学物質を適正に利用し、健康影響を未然に防止するためには、正確な知識に基づき、化学物質の過剰な使用や排出を避けることが必要。このため、子どもガイドラインの策定など、適正使用を促す取組を進めてきた。様々な立場の当事者が知識を共有する機会を持つことは重要で、今後その手法について検討。