<Q5>
介護保険制度改革について。
膨らむ介護保険会計と、給付を受けることにより介護度の軽減が図れていない現状から、予防重視型システムへ転換する法改正が提案されています。東京都は介護保険制度改革の円滑な実施に向けた提案をまとめました。都は介護保険導入以降の状況をどのように捉え、予防重視型への転換の意義をどのように考えているのか。
<福祉保健局長答弁>
・介護保険制度は、概ね順調に推移しているが、その一方で、軽度の要介護者が大幅に増加しており、介護予防の取り組みが重要になっている。
・このため、都は、区市町村と連携し、来年度から新たに介護予防検診と老人基本健康診査との一体的な実施を図るなど、全国に先駆けた取り組みを進めている。
・「予防重視型システムへの転換」は軽度の要介護者への給付の見直しとともに、要介護状態になる恐れのある高齢者に対する効果的な介護予防サービスの提供など、都がこれまで推進してきた介護予防の取り組みを発展させるものと認識している。
<Q6>
軽度の介護度の高齢者にとって、制度の変更は大きな関心事です。新予防給付の対象者の選定は、新たに高齢者の生活機能を評価する調査項目を加え、主治医意見書もこの点を拡充するということですが、その人の家族構成や住宅事情などの生活環境についてどのようなアセスが行なわれるのかが注目されるところです。要介護認定を受けた方々を5年間にわたって聞き取り調査してきたNPOの報告では、介護度が横ばいまたは軽減された方々もあり、毎日の暮らしの中で適切な生活支援を受ければ、パワーリハビリでなくても元気に地域で暮らすことが可能です。新予防給付の対象者に対しては生活環境面からの評価を行ない、必要な生活支援を行うべきではないかと考えますが、見解を伺います。
<福祉保健局長答弁>
・今回の制度改革において、軽度の要介護者に対するサービス提供のあり方については、要介護度が悪化しないよう、本人の意欲を引き出し、真に自立支援に資するものへと改めていくことが検討されている。
・そのためには、個々の利用者のケアプランを策定する際に、本人の希望や家族の状況など、生活環境に関するアセスメントを適切に行ない、目標とその実現に向けた手段や方法を明確にすることが重要である。
・なお新たな予防給付の内容については、軽度の要介護者の生活援助ニーズにも適切に対応したものとなるよう、都は国に対し提案している。
<Q7>
具体的な介護予防や地域の包括的・継続的なマネジメント機能を強化するため、自治体は地域支援事業を創設し、地域包括支援センターを設置することになりますが、事業規模や財源などに格差があり、途方に暮れている自治体もあるやに聞いています。特に介護予防マネジメントを担う人材の養成と確保は東京都の役割として急務であると考えます。都はこれにどのように関わるのか。
<福祉保健局長>
・介護予防は、今回の介護保険制度改正の柱であり、介護予防マネジメントを担う人材の養成と確保は重要な課題である。
・都は新たに在宅介護支援センターの職員等を対象に、介護予防マネジメントが確実に行えるよう、地域の指導者を育成する実践的研修を実施する。
・区市町村が、在宅介護支援センターで、介護予防マネジメントを担う人材を育成する場合等に補助するなど、地域において、介護予防が効果的に実施できるよう体制の整備に努める。