<Q3>
次にJR中央線連続立体交差事業について伺います。多摩地域の中央部を東西に横断するこの事業は13.1㎞、沿線6市にまたがる事業です。事業推進にあたっては事業主体としての東京都の役割は非常に大きいものがあります。18箇所の踏切解消ばかりでなく、完成後には高架によって生まれる空間の利用なども期待されます。工事はまだ緒についたばかりですが、その高架下の利用については、今から協議をしていく必要があると思います。このことについて都はどのように関わっていくのか伺います。
<建設局長答弁>
・JR中央線連続立体交差事業は、多摩地域の交通渋滞や地域分析を解消する効果の高い事業である。
・高架下は貴重な都市空間であり、地域のまちづくりと密接に関連している。
・昨年6月に、都、沿線6市及び鉄道事業者からなる「高架下利用検討委員会」を発足した。
・今後、沿線6市の意向を踏まえ、地域のまちづくりや鉄道利用者等の利便性に配慮した利用が図れるよう、鉄道事業者と調整していく。
<Q4>
鉄道の立体化によって新たに生み出された高架下空間は、高架下貸付可能面積の15%を地方公共団体が公租公課相当額として利用できます。公共的な使いみちとしては歩行空間や集会施設、あるいは防災施設などのほか駐輪場などがあります。特に駅周辺の放置自転車対策として駐輪場の設置が求められ、地方公共団体は公租公課相当分の中で自ら設置に努めてきました。ところが小田急線連続立体交差事業では、鉄道事業者が自ら高架下に駐輪場を設置し、自社の退職者を雇用しながら運営をする駐輪場が各駅にできています。駐輪場運営は用地費や設備費を除けば利用料によって採算が見込める事業になっています。鉄道事業者は退職者の雇用を創出し、利用者は駅に近くて雨の当たらない場所に自転車を止めることができ、自治体は15%の範囲内を駐輪場以外のことに使うことができる、という鉄道事業者・利用者・自治体いずれにとっても優位性のある解決と考えます。現在都は沿線自治体の意向をとりまとめていますが、高架下利用の検討状況はどのようになっているでしょうか。
<建設局長答弁>
・現在、鉄道事業者において高架下の利用可能な箇所や面積等の調査を進めている。沿線6市においても設置する施設の検討を始めている。
・今後、調査結果や各市の利用計画を踏まえ、検討会において、施設のないよう・規模・配置など、具体的な利用計画を策定していく。
また中央線沿線は多摩川流域の集水域であり、東京都環境確保条例に基づき、雨水涵養を積極的にすすめるべき地域として位置づけられています。ヒートアイランド化の進展は多摩地域でも顕著であり、湧水の枯渇傾向と相まって、緑地や水辺空間による開水面の確保、蒸散機能の維持・強化が急務です。中央線高架橋の上に降る年間17万トンの雨水をそのまま下水として流してしまうのではなく雨水浸透施設を設置し、防災用水や生活水として使い、できるだけ大地に返して雨水循環活用を図るよう要望いたします。