安全・安心の都市政策への転換を!

決算特別委員会で質疑

 台風、そして先日の、新潟中越地方を襲った地震と今年は何と災害の多い年でしょう。被災された方々を思う時、毎日の普段の暮らしの大切さ有難さに感謝すると同時に、人と人の関係を大切にしたまちづくりの重要性を強く感じています。特に長岡には、5年間暮らしたことがあり、家族でお世話になった多くの友人もいます。幸い皆無事でしたが、相次ぐ余震に怖い思いをしていることを考えるとつらくなります。被災された方々には心からお見舞い申し上げます。

 東京の地震対策も気になります。そこで私は、決算特別委員会で取り上げました。新潟地震クラスが東京を襲えば、被害は死者7159人、全、半壊建物14万2528棟といわれていますが、東京のまちは、耐震化が進んだとはいえ、巨大ビルが次々に建設され、非常に不安を覚えます。特に子どもたちが毎日通う小・中学校は、教育現場として、さらに震災時には避難所となることから、学校の耐震化は急務です。しかし、小中学校の耐震化率は約6割です。小中学校の耐震化は、設置者である区市町村が国の助成制度を活用し対応しています。耐震診断は2005(H17)年度までやるように指導しているものの、肝心の耐震工事は義務付けもしていません。1981(昭和56)年以降建設された建物は耐震強化されていますが、問題はそれ以前の建物です。せめて大勢の人が利用する、病院、デパート、ホテル等の耐震化については、民間任せにせず、都としても状況を把握し、指導することが必要です。今回の地震では、新幹線の脱線が大きな問題となりました。鉄道に関しては、国が鉄道事業者の情報を把握していますが、多くの鉄道会社が乗り入れている東京の場合、都としても再チェックの必要があります。
 23区には、170箇所の避難場所が指定されています。この避難場所の中には、3km以上の遠距離避難所や一人当たりの面積が1平方メートル未満の箇所も含まれています。さらに、千代田区や港区・臨海部等は避難場所の指定はなく、地区内残留地域として避難場所は準備されていません。東京の被害想定は1997(平成9)年に作られました。ここ数年の大規模開発による都市構造の変化に対応できるか検証の必要性を質したところ、現在、国が設置した「首都直下地震対策専門調査会」で被害想定を検討されており、年内に公表する予定とのこと。以上が主な質疑内容です。

 関東大震災の時は火災で、阪神淡路大震災では、家屋倒壊で、新潟中越地震では、土砂災害やエコノミークラス症候群で、人命が失われました。地震災害によってどういう形で被害が起きるかは過去の経験からだけでは予想がつかず、様々な可能性を視野に入れて、安全、安心対策を進めることが重要です。
 この点で気になるのが、近年増加している超高層のマンションやオフィスビルです。アメリカで先年発生したテロ事件で、国際貿易センタービルが火災による鉄筋の強度低下によって倒壊したような事例を踏まえると、地震時の不安は尽きません。周知のように、東京でも人口や就業者の伸びは鈍ったり、減少しており、土地の高度利用の必要性は薄れています。安全・安心を中心に据えたまちづくりに転じるべきです。都市再生は、都市の高層化によってなされるのではなく、都民が安心感を持って過ごせるまちをつくることによってなされるのではないでしょうか。
 行き過ぎた高層化にゴーサインを与えてきた東京都の都市政策を猛反省させ、安全・安心の都市政策への転換を求めていきます。