人事案として、浜渦副知事の再任、また、4人目の副知事として大塚氏(新銀行設立に貢献した出納長)、そして横山教育長の再任が提案されました。
都は現在3人の副知事体制ですが、昨年は「第二次財政再建推進プラン」や「都庁改革アクションプラン」を出し、大幅な職員削減に取り組んでいます。さまざまな見直しが求められている厳しい時代に、4人の副知事が本当に必要なのか?必要ならば、その役割と全体的な都政運営の構想を、所信表明などで、述べるべきでしょうが、何の説明もありませんでした。
ネットは、これまで、人事は、知事の選任事項とし、よほどのことがない限り賛成してきました。が、今回、浜渦副知事、横山教育長の再任に反対しました。
男女共同参画社会基本法制定後、東京都は他の自治体に先駆け、2000年には「東京都男女平等参画基本条例」を制定し、男女がともに、自分らしい生き方を発揮できる社会づくりの機運が高まりました。しかし、2002年副知事に就任した浜渦氏は、多様な都民の活動とともに、活動の拠点となる東京ウイメンズの運営を都直営にするため、女性財団を解散、財団の基金3億円を廃止しました。実質的に女性施策の後退を招いています。今定例会の所信表明で、「取り違えたジェンダーフリー論」を知事が述べるのも、このような経過をみれば当然でしょうね。
横山教育長は、時代錯誤のジェンダーバッシングや性教育バッシングを行い、国旗・国歌の指導と称して、教育現場への不当な権力介入等で、学校運営の混乱を招いている理由から反対しました。
以上の理由で、浜渦副知事、横山教育長の再任に反対、その他の人事案に賛成しました。
しかし、賛成多数で人事案件はすべて同意されました。
<こういうことってすぐ伝染するのですね>
最終日の議会運営委員会で、文教委員会で調整がつかず、見送られるはずだった「教育基本法の改正に関する意見書」が強行採決されました。都議会では、委員会での審議結果を尊重してきました。付託された文教委員会で調整がつかなかったものを再度、議会運営委員会で審議するならば、相当の緊急性や必要性が充分に説明され、かつ、各会派の合意を得ることがなによりの原則のはずです。特に教育基本法改正については、多くの問題点もあり、時間をかけて広く議論されることこそ必要です。少数会派・少数意見を大事にしようという都議会のよき慣習である、全会派一致のルールを破ってまで強行すべきではありません。今回の強行採決は自らが議会軽視を行うものであり、冷静な議会運営を望むものです。国会での「数による何でもあり」がすぐにこんなところで、影響するのですね。