平成12年6月の雄山の噴火から3年7ヶ月、火山活動はゆっくり低下してきているものの有毒な火山ガス(二酸化硫黄)放出量は横ばい、局所的には、高い濃度が観測されており警戒が必要です。一方、住民の方々の避難生活も3年7ヶ月になります。島の方たちにとっては、避難生活も限界にきています。視察の目的は、島の現状(安全宣言ができない)、帰島問題をどうするかというための視察でした。
当日は、10時東京へリポートを出発、約1時間で三宅島です。天気は快晴、雄山を旋回したのですが、火口底までくっきりみえました。水蒸気を盛んに吹き上げています。到着後、三宅島村長さんや、職員の方の説明を受け、マイクロバスで島内を一周しました。ヘリコプターを降りるとやはり硫黄のにおいが感じられます。2年前の委員会視察以来三宅島は二度目ですが、前回は、寸断された道路に迂回路を整備したりし、ようやく一周できた状態だったのですが、道路や砂防ダムが完成し、家屋も一部修理がされていたりと2年間の復興成果を感じました。現在は、常時700人の島民の方が、島の復興事業に従事しています。また、今年に入り、一部民宿をその宿舎として利用したりし、前回よりも活気が感じられました。しかし、帰島となれば、島の安全地帯に公営住宅を建設することや、学校の問題等まだまだ、多くの課題があります。また、なにより問題なのは、火山ガスです。島全体が安全値にたっしていなければ、町の機能をどう維持するのか、子どもや高齢者は体力的に大丈夫なのか、不安があります。何らかの決断をしなければならないとはいえ、本当に難しいものです。立ち枯れの山で、唯一榊の木の緑や、ツワブキ、名産のアシタバが青々と島の生命力を感じさせます。海は何事もなかったかのように穏やかでした。島のかたがたの「帰りたいという思い」がとてもわかります。