食品安全基本条例実現へ

いよいよ来年3月議会に条例提案が予定

一昨年の9月に発生したBSE(狂牛病)事件以来、食品表示の偽装、無許可の食品添加物の使用、無登録農薬の使用など、食品の安全や信頼を揺るがす事件が次々と起こり、食に対する国民の不安は大きくなるばかりです。さらに遺伝子組み換え食品やダイオキシン、環境ホルモン、O—157など新たに解決しなければならない問題も山積みです。1986年のチエルノブイリ原発事故では放射能汚染による食品汚染の不安が高まりました。食品安全行政の確立を求める市民55万人の署名とともに「食品安全条例」の直接請求が出され、生活者ネットワークも条例の制定を都に迫りました。残念ながら条例の制定はできませんでしたが、一連の働きかけは、都の消費生活条例や食品安全確保対策基本方針の策定を実現し、食品安全に対する予算の倍増などが図られました。あれから14年、私は、昨年3月の予算特別委員会で、新たな食の不安が大きい今こそ、「食品安全条例」の制定をすべきではと、知事へ直接質問しました。知事は、「大消費地東京に条例を制定することは意義あること」と前向きな回答をしました。今回公表された「基本的な考え方」では、国の「食品衛生法」など既存の法制度では対処できない課題に対応するため、知事の安全性調査・勧告制度など都独自の未然防止策を創設することを条例の柱としていますが、まだ、全貌が見えません。ネットでは、条例の基本理念に都民の生命と健康を侵されない権利を明記させ、遺伝子組み換え食品への対応や、農薬等の安全基準を子どもに配慮した「子ども基準」の設定等も条例に盛り込みたいと考えます。9月2日には、食品安全条例を市民がつくる会主催で緊急集会が開かれます。14年前の直接請求から関わってこられた、弁護士で食の安全・監視市民委員会代表の神山美智子さんが講演されます。行政まかせにしない市民の条例にするためにぜひ、ご参加下さい。

<市民がつくる食品安全条例>
  日時   2003年9月2日(火)10:00〜12:00
  会場   東京都議会棟 第1会議室(6F)
  報告者  神山美智子さん(弁護士、食の安全・監視市民委員会代表)
  主催   食品安全条例を市民がつくる会