あけましておめでとうございます。
2004年は自衛隊のイラク派兵問題に揺れながら明けました。仏、独、露という大国が、米英とは異なる対イラク政策をとったために、明らかに世界の世論は大きく分かれ、日本は選択肢を持ちえました。それにもかかわらず、小泉内閣が派兵を決めました。その背景には、日米関係重視があったとはいえ、主要国の意見が分かれる中で、国際舞台においては米国の意見=日本の意見という図式を安直に当てはめることができない場面がこれからますます増えていくでしょう。生活者ネットワークは、イラク問題では自衛隊派兵反対の立場ですが、同時に日本の対外政策を軍事中心としない、日本独自の国際貢献を主張しています。
私たちが過去50年ほどの間に、如何にして経済発展を遂げることができたのか、格差の少ない地域社会を形成することができたのか、比較的安全な街や村を維持することができたのか、こうした経験の中に世界の人と共有できるものがもっと見いだせるのではないでしょうか。もちろん、公害、過密・過疎、画一的社会など負の経験からも教訓を引き出せるはずです。
こうした日本の経験は、特定の指導者のもとで培われたのではなく、多くの市民の自立的な活動の和として蓄積されてきたことに注目することが大事です。市民力、地域力という表現は、食の安全、分権的な福祉のまちづくりなど、これからますます重要になるテーマで地域の市民パワーが必要という点はもちろんですが、その力は急に生まれるものではなく、各地域の経験によって形成されます。そして、市民力、地域力は、人々の生活をベースにつくられてきたという意味において、国境を超えて共有できるものであり、国際紛争を武力で解決しない日本にとって基礎となる力です。
皆様とともに、地域力・市民力を高め安心・共生・自治、そして国際連携のまちづくりを進めましょう。
本年もどうぞよろしくお願い致します。