東大農場実験延期
遺伝子組み換え屋外栽培
東京大学は5月12日に、西東京市にある東大農場で、トウモロコシのSPS(スクロースリン酸シンターゼ)遺伝子を導入したジャガイモの屋外栽培実験を計画していました。この実験は、従来のジャガイモより1.2倍の重量と甘みを増大し、高湿の耐えうる機能にすることを目的としています。遺伝子組み換え作物の屋外栽培実験は、東京では初めてのことです。4月27日、東大農場で行われた説明会では、遺伝子組み換え食品への不安や抵抗もあることから、大勢の人から質問がでました。特に環境への影響については、肝心なところで「やってみないとわからない」という説明だったため。参加者から「不安」が続出し、要望によって5月7日、2回目の説明会が行われました。同時に都庁でも議員有志で農場長の大杉立教授による説明を求める会を開催しました。遺伝子組み換え作物については、何がどう変化していくのか特に従来の常識を越えた、予期せぬ事態、意図しない効果をどうチエックするかが問題です。BSE(狂牛病)鳥インフルエンザ等その原因はまだ解明されていません。遺伝子組み換え食品についても、安全性の確保が何より優先されるべきです。参加者からは一般農作物との交雑・混入により生産・販売に混乱が生じる恐れや風評被害を心配する声が相次いだことから、住民合意が得られず、5月12日に予定していた作付けを延期することにしました。住民合意を尊重しての延期決定はリスクコミュニケーションの理想です。バイオ技術を始め・複雑化する時代のリスクは単に科学者だけの問題ではありません。私たちもそのリスクを受け止め、どう選択していくかが問われています。大杉教授は「再開する場合は安心できる対策を住民に説明したいと」いうことです。そもそも、遺伝子組み換えの大きなジャガイモや甘いジャガイモが必要なのでしょうか?