<経過>
三井物産は、02年2月最初の指定承認のための申請を行い、7月、形状変更を行い申請していますが、この時点で、データーの虚偽が行われていたこと、12月、都は独自に抜き取り調査し、物産のDPF装置の性能が基準を下回っている可能性が判明、03年1月、長崎の物産出資の検査所で、都職員立会いの測定実験を行った。しかし、そこでも、データーを偽装され、結局この一年、粒状物質の除去率が基準値の7割程度の車が、走っていたということです。粒状子物質除去(DPF)装置は約6万台の車に取り付けられており、うち、物産製装置をつけた車は約2万1500台と、シェアはトップ。1台100万円で販売。都では、5000台。計約18億円の補助金を支出。
<疑問>
経過を聞く中で最初の疑問は、03年1月の検査です。長崎まで行って、職員立会いの調査をしながら、データーの偽装が行われたことです。都の説明では、クリーンルームが狭くて都の職員が入室できなかったと。しかし、疑っていたからこその調査であれば、本来、都環境科学研究所で行うべきです。はるばる長崎の検査所まで、出向き、ころりとだまされてきたとは、昨日の新聞では、釣りに行っていたということもわかり、物産の体質も問題ですが、都の体質も問題なのがはっきりしました。
<課題と今後の対策に向けて>
今回の事件、都の大企業への過度な信頼がこのような事態を招いたのではないでしょうか。三菱自動車の欠陥車リコール問題や、UFJ銀行が金融庁の検査に対して、組織ぐるみで隠蔽工作を行うなど、一連の企業の不祥事への厳しい批判から、今、企業の社会的責任(CSR)が問われていますが、今回の事件も同質です。限られた期間でスタートさせなければならないことで、大企業へ頼り、都はころりとだまされてしまいました。介護部門と同様に、環境部門にも大きなビジネスチャンスがあり、今後企業の攻勢は、ますます激しくなると予想されます。迎える行政もその対応を検討すべきです。特に、環境技術は日進月歩の世界です。地道な開発研究を行いながらも資金力がなく、都の指定を受けられない優秀なメーカーも多いのではないか、今回のことを契機に行政も大企業に対する過度な信頼を改めて、リスク分散を図るべきと考えます。委員会では、全会派で、刑事告発、参考人招致を求めました。刑事告発は、一都三県で行うことを決め、参考人招致は、委員長一任ということになっていますが、明日の代表質問でも厳しく追及していきます。