今議会では、東京都社会福祉総合学院の運営に関して、「百条委員会」が設置されたことが話題になっています。同学院は「都社会福祉事業団」が、専門性をもった人材を養成する目的で、2001年に開設され、翌年、学校法人に委託し、運営されていました。土地は都が事業団に無償貸与し、事業団から同学院に貸与していたものです。
問題なのは、予算委員会において、予算編成権を持つ最高責任者のひとりである浜渦副知事が、自ら提案した予算のごく一部ではあったとしても「疑義がある」と答弁したことです。そのため、生活者ネットワークは、「疑義がある」とされた部分を含む一般会計予算について、百条委員会での調査を先行すべきとの判断から、賛否を保留しました。
昨日より本日未明まで、浜渦副知事外3名の証人が喚問され百条委員会の調査が行なわれました。その結果、証人間の重大な証言の食い違いや、今後、尋問・調査すべき課題が浮きぼりになりました。今回の予算審議及び都民に不安を与えた責任は、あげて副知事の答弁に端を発した執行機関にありますが、ネットは、都政全体の優先課題を考慮し、2005年度予算の成立を遅らせ、主要事業の執行を遅らせることは、都民全体の利益にならないと判断し、一般会計予算の成立に賛成しました。
ネットは、2005年度予算については、分権改革と財政再建、人口減少問題への取り組み、京都議定書発効をうけての環境重視政策等の提案をしてきました。①介護保険制度改正に向けては、高齢者の潜在的な力を引き出しつつ、在宅での暮らしが維持できる介護サービスの必要性、②次世代育成については、女性も男性も仕事と子育ての両立を可能にする実効性ある施策を、 ③85万人と推定されるニートなど若者の問題については、社会全体として「人を育てること」に本気で取り組む必要性などを訴えました。
なお、都立学校の卒業式等に際し「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱が職務命令とせれ、昨年の243人に続き、今春すでに50人の教員が命令違反として処分される事態に関しても、都教委のあまりに強制的で画一的な姿勢こそが問題であり、多様な「共生」の時代を実現させる教育こそが真に望まれている、と発言しました。
その他、国民保護対策等に関するネットの見解については、次週に掲載します。