35年ぶりの百条委員会の行方?

3月議会を終えて

今定例会の予算特別委員会で、東京都社会福祉総合学院の運営に関して「百条委員会」が設置されました。同学院は「都社会福祉事業団」が専門性を持った人材を養成する目的で、2001年に開設され、翌年、学校法人に委託し、運営されています。

3月14日の予算特別委員会で、民主党議員の質問に対し、予算編成権の最高責任者である浜渦副知事が、補助金の使い方に疑義があるかのような答弁を行ったため、民主以外の全会派が反発、予算特別委員会は一時中断し、「百条委員会」が設置されました。百条委員会は、議会の調査権の最大行使であり、証人は宣誓したうえで喚問に答え、虚偽の答弁には偽証罪が適応される厳しいものです。29日の百条委員会では、83項目にのぼる記録請求の内、段ボール2箱分77件の記録が提出され(残りは不存在)、浜渦副知事と、総務、財務、福祉保健の3局長を証人喚問しました。「疑義」の解明を望みますが、4人の喚問は、深夜2時半まで続きました。いずれの証人も疑義はないと答弁しています。

 百条委員会を主張した自公は、知事与党を強調し、百条委員会の調査が行われる前に、予算特別委員会での議決を全議案に賛成しました。ネットは百条委員会が開かれないうちに賛否を問うべきでないと主張し、予算特別委員会での一般会計予算への賛否は留保し退席しました。深夜の「百条委員会」終了後、ネット総会を開き、調査の結果「予算的に問題なし」の見解が示されたことから、本会議での最終議決には賛成しました。

今回の百条委員会の設置には、党利党略の思惑が交錯しています。都議選前で、知事とは仲良くしたい与党は、疑義がないことを証明する百条委員会と位置づけているようですが、昨年、ネットが設置を求めた、三井物産によるデイーゼル車粒子物質除去装置(DPF)をめぐるデータ捏造事件こそ「百条委員会」にかけるべき問題です。次回の百条委員会は、4月19日に開催されます。