東京都食品安全推進計画策定される

遺伝子組み換え作物はつくらせない

BSE・遺伝子組み換え食品は、現代の食への不安を象徴するものですが、アメリカ産牛肉の輸入再開の動きの中、時代とともに食への不安は途絶えることがありません。ネットの提案で東京「食品安全条例」が制定され都独自の取組みが進んでいますので、その内容を説明します。

 東京都は「食品安全条例」にもとづく「食品安全推進計画」を策定し、3月29日発表しました。 重点課題に、(1)食品の安全確保の促進(2)健康への悪影響の未然防止(3)安全をみんなで考え安心を育む、の3項を掲げ11のプランを示しています。プランでは、▼食品衛生自主管理認証制度の対象拡大▼生産情報提供食品事業者登録制度を全国の事業者に拡大▼情報収集と科学的分析・評価▼国内外での農薬使用実態の把握と検査体制▼食品の適正表示推進者の育成▼リスクコミュニケーションの推進−−、などがあげられました。
 市民や生活者ネットが求めてきた多くのことが明文化されましたが、「生産から廃棄まで」や「予防原則」については現時点では十分な合意に至らず、盛り込まれていません。今後も食べる側から積極的に発信し、計画の実施状況を検証していくことが必要です。
 一方、直面する問題に「国内での遺伝子組み換え作物の栽培」がありますが、遺伝子組み換え食品の安全性に不安を抱く市民が多い上に、栽培となると、種がこぼれたり花粉の飛散などによる交雑が農業者にとっても懸念されることです。そのため、各地で栽培規制を求める動きがあり、北海道ではこの3月、「交雑等の防止に関する条例」を制定しました。
 都も現在、栽培指導指針の早期策定にむけて検討を進めており、生活者ネットは、都市近郊農業の特性を生かした安全・安心な栽培指導を行うことや、指針が策定されるまでの期間についても、規制前の駆け込み栽培が行われることがないよう、対応を確認しました。