1時間50ミリ対応の洪水対策!?

環境建設委員会視察より

 今秋の台風14号は、1時間に最大112ミリ、総雨量が263ミリという記録的豪雨で、都内の杉並、世田谷、中野、北区を中心に床上浸水など多大な被害をもたらしました。
 今回の浸水被害は、河川から水があふれたのに加え、下水道管からの逆流が原因とみられています。汚水と雨水を混ぜて処理場に運ぶ「合流式」のため、汚泥やゴミが管の継ぎ目やカーブにとどまり逆流しやすいのです。
 都は97年、神田川に近い環状7号線の地下約24万立方メートルの容量の調節池を建設し、善福寺川からも取水するため、新たな調節池の工事を進めて今秋稼動する計画でした。今回の豪雨では、この工事中の第2調節池を急遽稼動させたものの、浸水を防ぐことはできませんでした。
今回の視察は、神田川、善福寺川から梅里換気塔までの第一期事業(延長2000m)、さらにJR中央線を越えて妙正寺川立坑の第二期事業(延長2,500m)の4ポイントを訪れ説明を聞きました。
この工事は、1時間50ミリの雨量に対応するものには変りなく、完成したとしても、1時間100ミリ以上の雨には対応できません。

 生活者ネットは第3回定例会でも一般質問を行っていますが、これまでも①汚水が川へ流れ込まないように過スクリーンや汚濁物質の除去装置を整備することや②初期の雨水を一時的に貯め置く雨水貯留管を埋没するなどの提案をしてきています。都市の洪水は都市化による雨水が浸透できなくなってしまったまちづくりが原因です。土地の公園化や建築規制による水循環のあるまちづくりがなにより重要です。