経済効率を求めすぎたのが今の東京です。生活する都民が豊かさを実感するためには、景観を中心とした、水辺やみどりの潤いのあるまちづくりをめざすべきです。
Q1 今回景観法に対応した景観条例の改正案が上程されていますが、知事は条例を改正することによって、どのような景観を重視した都市づくりを進めようとしているのか伺います。
A1:知事答弁
・ 今日の東京は、都市全体の美しさが感じられない。
・ このため、法的な強制力も行使できるよう、景観条例を改正し、あらたに実効性のある景観計画を策定する。
・オリンピックの開催は、成熟した都市にふさわしい東京の姿を世界に示す絶好の機会である。
Q2 都は平成11年以来、順次景観基本軸を定め、区域内で行われる大規模な計画には届出を必要としてきました。しかし、区や市が届出を義務づける条例を定めた場合には、景観の誘導が区や市の条例等にゆだねられ、基本軸全体としての調和や景観誘導につながっていません。今回の景観条例改正を機に市民の景観への関心が広がることに期待するものです。景観基本軸の多くは自治体の区域を越えています。国分寺崖線景観基本軸など、区市町村の区域を越えた広域的な景観施策は?
A2 都市整備局長答弁
・都は区市町村と連携して、行政界を越えて、施策を展開していく必要がある。
・国分寺崖線など、景観基本軸についても、引き続き計画に位置づけていく。
「国分寺崖線景観基本軸」の区域は、貴重な自然環境と地域の原風景とも言うべき景観が残っています。国分寺市はまちづくり条例を制定し、崖線区域内の高さを15mに規制しています。このたび同じ景観軸内の府中市側に都立府中病院が、57mの高さで建てられる計画が明らかになりました。府中市は高さの制限はありませんが、都は景観基本軸について、連続した緑の景観を維持することを謳っており、国分寺市民から反対の声が上がっているのも当然です。また今回の府中病院は都立病院としては初めてのPFIで行われる事業であり、都の責任において直接行う公共事業同様の厳しい景観配慮が求められます。PFI事業を含む大規模建築物の景観誘導についてはどのように考えるのか。
A3 都市整備局長答弁
・ 大規模な建築物は、周辺の町並みなどに大きな影響を与えることから、景観への配慮を誘導することが重要。
・ 条例の改正を提案し、都市計画決定などに基づき建築される大規模建築物等を対象に、事前協議制度を導入する。
・ 今後、都は、PFIを活用するか否かに関わらず、事前協議制度を適用し、良好な景観形成を誘導していく。